OPPO A79 5G日本発表、お気軽5Gスマホの競争激化へ

OPPO「A79 5G」が日本で発売になります。すでに海外市場では販売中のモデルで、筆者の住む香港でもベーシッククラスの5Gモデルとして注目を集めています。

チップセットはメディアテックのDimensity 6020を搭載。このチップセットは5G向けとしてはエントリークラスですが、5Gスマートフォンの低価格化を実現するメディアテックの戦略的なモデルです。A79 5Gの2万9800円という単体価格は、昨今日本で話題になっているスマートフォンの値引きうんぬんの話を抜きに、気軽に手が出せる価格と言えます。

カメラは5000万画素の広角と200万画素の深度測定で、広角撮影をしながら時々デジタル望遠を使う、というかなり割り切った設計です。まあスマートフォンのライトユーザーならこれでも十分でしょうか。メモリ構成も4GB+ストレージ128GBと必要最小限。ちなみにシャオミが日本で販売する「Redmi 12 5G」も同じ構成、価格も同一です。なおRedmi 12 5Gは後から8GB+256GBモデルが追加されており、販売は好調なようです。

日本円で約3万円、海外でも3から4万円クラスの5Gスマートフォンは販売数が最も出ている製品です。5Gの普及が広がったことで、Netflixなどストリーミング動画配信やTickTokなどのショート動画サービスはスマートフォンで日常的に使われるアプリになりました。SNSで動画をシェアするのも5Gならより高速に行えます。高性能なカメラを搭載した4Gスマートフォンよりも、ベーシックカメラの5Gスマートフォンのほうが便利なこともあるわけです。ただしベーシックと言いながら5000万画素ですから、何も考えずに撮影すれば普通にきれいな写真を撮ることができます。

日本では5Gの普及があまり広がっていないことから「まだ4Gで十分」と考える人も多いでしょうが、新興国ではもともと4Gの高速化が遅れたりカバレッジが狭かったこともあり、5Gスマートフォンへの買い替え需要が旺盛です。最近は4Gスマートフォンの新製品が出ていないこともあり、新機種に買い替える場合はおのずと5G製品になるのが一般的でしょう。すべての人が4G時代もハイエンドスマートフォンを使っていたわけではなく、快適な通信速度を求めるために低価格な5Gスマートフォンを求めるユーザーが数多くいるわけです。

A79 5Gの166 x 76 x 8mm、193gという「大きすぎず、重すぎない」サイズも最近のスマートフォンとしては一般的。大きな特徴はないかもしれませんが、日用品として日々気にせず使うことができます。

OPPOのAシリーズはこのように「5G対応で価格を重視した」ユーザーをターゲットにしつつ、本体のデザインや質感にも注力しています。筆者も香港でA79 5Gの紫モデルを触ってみましたが、貝殻を埋め込んだように光る仕上げは透明カバーをつけて人に見せたくなるデザインだと思いました。日本ではこのカラーは出ないようですが、逆に日本発売のグローグリーンモデルを触ってみたいものです。

なおOPPO A70番台のモデルは数年前から毎年多数のモデルが出ており、海外と中国市場ではA71からA78までが登場済み。日本でも過去に「A77」が発売されました。今回登場したA79 5Gのモデル名は、70番台の最後の空き数字だったのです。同様にAシリーズ上位モデルの「A90」系も、A91からA98まで使われており、残っているのはA99だけです。

次のモデルのことを考えるのは早すぎますが、OPPOはA80番台のモデルも出しており、79の次を80にするというわけにはいきません。実は中国では現在「A+数字一桁」モデルとしてAシリーズの型番形式を変更、2022年に「A1」シリーズ、2023年後半から「A2」シリーズを出しています。この新Aシリーズも価格を抑えながらヴィーガンレザー貼りモデルがあるなど、デザインが強化されています。

さてA79 5Gの価格が3万円を切っているとは言え、日本では引き続き「iPhone 10円」などのキャンペーン販売が行われています。1年・2年後に端末を返却することから実質レンタルではあるものの、高性能なスマートフォンが低価格で利用できるわけです。A79 5Gのようなコスパに優れた製品は、日本では大手キャリアの販売キャンペーンとも競争を行わねばならない点が厳しいところ。とはいえ海外市場では低価格モデルの競争も激しく、製品の品質は年々あがっています。割引無しでも気軽に買える「日用品スマホ」と呼べるような製品が、これから日本でも増えていくかもしれません。

OPPO「A79 5G」が日本で発売になります。すでに海外市…