あなたのアイデアが事業化されるかも? 新事業のアイデアコンテスト「Wemake」のススメ
by 石井英男
みなさんはWemakeを知っていますか? Wemakeは、株式会社A(エイス)が運営するオンライン共創プラットフォームです。簡単に説明すると、企業が新事業や新製品のアイデアを募集し、参加者が事業案などを投稿して、企業がその中から優秀な提案を選び、その提案者には賞金が与えられるというもので、要するに新事業のアイデアコンテストを行っているサイトです。

ただ、Wemakeは単にアイデアを出して終わりというものではありません。一次審査を通過したアイデアは、さらに2ヶ月程度かけてチームを作ってブラッシュアップし、プレゼンによる最終審査に挑むことになります。Wemakeはサービス開始から10年以上経っており、参加者も3万人を超えているのですが、まだ知名度はそれほど高くないようです。
Wemakeでは、数多くの大手企業がアイデア募集のプロジェクトを公開しています。上の画像では、TOTOや東芝、ノーリツ、パナソニックなどのプロジェクトが公開されてますが、これまで伊藤園やアサヒビール、NTTドコモ、JR西日本、コクヨ、大丸松坂屋など、さまざまな企業がアイデアを募集しており、実際にWemakeで選ばれたアイデアが事業化や製品化された例も多数あります。
筆者は、5年前からWemakeに参加し、これまでに30近くのアイデアを投稿してきました。もちろん、Wemekeへの参加やアイデア投稿にはお金はかかりませんし、学生でも社会人でも、個人でも法人でも参加が可能です。
Wemakeでは常にいくつかのプロジェクトがアイデアを募集しています。企業が求めるテーマに沿ったアイデアを思いついたら、まずは、テキストベース+画像1枚だけでいいので、フォームからアイデアを投稿します。企業によっては、早期に投稿したアイデアについてフィードバックをもらえることもあります。フィードバックをもらったら、アイデアを修正して再度投稿することで、一次審査を通過する可能性が高くなります。また、一人で同じプロジェクトに複数のアイデアを投稿することもできます。

1つのプロジェクトに平均240案のアイデアが投稿されているとのことです。その中から、一次審査が行われ、企業が有望だと判断したアイデアが10案程度、ファイナリストに選定されます。ファイナリストに選定されたアイデアは、そこからチームビルディングを行い、約2ヶ月かけて企業のメンターと共にアイデアの改善と検証を行います。ファイナリストには10万円までの改善費が支給されます(使った分だけ立替払い)。
最終審査は企業へのプレゼンです。コロナ禍以前はオフラインでのプレゼンが中心でしたが、最近はオンラインでのプレゼンが増えているようです。最終審査では、企業の役員や事業部長など決裁権を持つ社員数名に対してプレゼンを行い、その後質疑応答が行われます。プレゼン時間は10分、質疑応答も10分というパターンが多いようです。
最終審査終了後、2週間程度で結果が発表され、最優秀賞、優秀賞、特別賞が決まります。最優秀賞の受賞者には最大300万円(通常は100万円が多い)の賞金が贈られます(優秀賞は30万円~50万円程度、特別賞は20万円前後)。入賞者以外のファイナリストにも7万円~10万程度の賞金が贈られます。


筆者はこれまで3回一次審査を通過し、ファイナリストに選ばれました。最初にファイナリストに選ばれのはフォスター電機のプロジェクトで、筆者が投稿したプロジェクト名は「大事な人のドキドキと温もりを感じられるテレプレゼンスデバイス『心丸』(こころまる)」というものです。こちらは一次審査通過後デザイナーの方にCGを作ってもらったりしたのですが、本番のプレゼンでちょっと余計なことを話しすぎて時間が足りなくなってしまって、受賞には到りませんでした(時間が足りていても選ばれた自信はないです)。
2回目は、大丸松坂屋のプロジェクトで、プロジェクト名は「富裕層と才能の原石を結びつけるパトロンマッチング/クラウドファンディングサービス『タニマチ』(仮)」というものです。こちらは結果からいうと最終審査で4位だったそうで(3位までは入賞)、あと一歩で入賞を逃しました。
3回目は、今年の3月に最終審査が行われた富士通フロンテックのプロジェクトで、プロジェクト名は「TCG(トレーディングカードゲーム)の自動査定装置」です。こちらは三度目の正直というか、ついに念願の優秀賞を獲得することができました。ニーズなどについては自信があったのですが、賞を取れたことはとても嬉しかったです。

賞を取った場合、そのアイデアの権利はプロジェクトを主催している企業に移りますが、プロジェクトによっては投稿者が事業化に関われる場合もあります。新規事業や製品を考えることが好きな人は、Wemakeに参加してアイデアを投稿してみてはいかがでしょうか。
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