バッテリー交換可能なノートPC「dynabook X83 CHANGER」が登場
by 石井英男
2023年7月18日、Dynabook株式会社が法人向けモバイルノートPCの新製品「dynabook X83 CHANGER」を発表しました。ここ数年、コロナ禍もあり、同社の発表会はオンラインで行われてきましたが、数年ぶりにオフラインでの発表会が開催されたので、参加してきました。

発表会ではまず、Dynabook株式会社執行役員国内PC事業本部長 渋谷正彦氏が、Dynabook社の国内事業と商品戦略について説明しました。渋谷氏によると、国内B2B向けノートPC市場では、Dynabookのシェアが第2位を占めているとのことです。

Dynabookは、コンピューティングとサービスを通じて世界を変えることをミッションとし、世界初のラップトップPC「T1100」や世界初のノートPC「DynaBook J-3100 SS」など、世界初や世界一を冠する製品を作り続けてきました。

今回Dynabookが発表した新製品「dynabook X83 CHANGER」は、薄型モバイルノートPCながら、バッテリーをユーザーが簡単に交換できる構造を採用していることが最大のウリです。バッテリーを交換可能にすると、厚く重くなりがちですが、dynabook X83 CHANGERは、バッテリーSの軽量重視構成時で約800g、厚さ約17.7mm、バッテリーLの長時間重視構成時で約950g、厚さ約17.9mmという、薄型軽量ボディを実現していることも魅力です。

dynabook X83 CHANGERは、従来のモバイルノートPCに対するユーザーの不満点から誕生しました。モバイルノートPCへの不満で最も多いのが、パフォーマンスへの不満ですが、その次に多いのが「バッテリー駆動時間が短い」「バッテリー交換が自分でできない」「バッテリーの消耗が激しい」という、バッテリー周りに関する不満です。

バッテリーが劣化して交換することになった場合、従来はメーカーに本体を送って交換してもらう必要があり、最低でも2~3日のダウンタイムが生じます。またその間、代替機を用意する手間もかかりますが、dynabook X83 CHANGERなら自分でバッテリー交換できるので、わずか3分ですみます。このダウンタイムの最小化がdynabook X83 CHANGERの最大の魅力なのです。

発表会では実際にバッテリーを交換する手順が実演されていました。ドライバーで裏蓋のネジを2本外してバッテリーカバーを外し、バッテリーのロックを押し上げながらバッテリーを外し、新しいバッテリーを装着して再びバッテリーカバーを取り付けるだけで完了です。バッテリーは4セルのLバッテリーと2セルのSバッテリーがありますが、サイズや形状は同じです。


もちろん、dynabook X83 CHANGERは、バッテリーが交換できるだけでなく、モバイルノートPCとしての基本性能も優れています。CPUとしてインテルの第13世代Coreプロセッサーを搭載し、小型ダブルファンとダブルヒートパイプによりTDP28Wでの常時駆動を実現しています。液晶は13.3型ですが、一般的なフルHD解像度ではなく、アスペクト比が16:10のWUXGA液晶(1,920×1,200ドット)を採用していますので、縦解像度が120ドット分フルHDよりも高くなっています。
また、インターフェースも充実しており、Thunderbolt 4/USB4 Type-Cを3つと、USB Type-Aを2つ、さらに有線LANやHDMI出力、microSDカードスロットも備えています。なお、Sバッテリーモデルは、電源供給能力の関係上、Thunderbolt 4/USB4 Type-Cは2つになります。

さらに無線LANも6GHz帯を利用できるWi-Fi 6Eに対応しています。

キーボードのストロークを1.5mmと2.0mmから選べるのもユニークです。薄型モバイルノートPCでは、ストローク1.5mmのキーボードを採用している製品が多いのですが、デスクトップPCのストロークが深いキーボードに慣れていると、もう少しストロークが深いほうがいいと思われる方もいるでしょう。
バッテリー駆動時間もLバッテリーでは約24時間、Sバッテリーでは約12時間とスタミナも十分です(この値はJEITA2.0測定法での値なので、実使用では使い方によってもっと短くなります)。

また、ファンの吸気部分にたまるゴミを簡単にクリーニングできるダスト・クリーニング機構の搭載も高く評価できます。カバーを外して、ハンディ掃除機などでゴミを吸引すればOKです。


価格はオープンプライスで仕様によっても変わりますが、中心価格は20~30万円程度になるようです。会場に展示されていた実機を触ってみましたが、とても完成度の高い製品だと思いました。
なお、今回発表されたdynabook X83 CHANGERは法人向けモデルですが、本製品をベースにしたコンシューマー向けモデルも近日中に発表されるとのことで、そちらも期待できそうです。






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